かつてロダンはいいました。「都市は石ころの塊だ」。たしかに彼でなくとも大多数の人は、都市とはいえば無機質なコンクリートを想い浮かべるでしょう。しかし、頭に現れたそれだけで都市が構成されているわけではありません。快適な内側=インテリアがあってはじめて人間の住む都市ができます。
 マウスを、鉄の箱、コンクリートの箱、木の箱で飼う実験がありました。生きつづけられたのは木の箱のみで、他は非常に短期間で絶命しました。生きるためには、内側が問題なのです。人間が、より快適な生活をめざすときにも、内側の問題がクローズアップされてきます。


 オフィスを含めて住宅の内側を語るとき、避けて通れないのが、日本人の特質や伝統です。海外の人からみた日本人のおかしさのひとつは、他人とちがう行動は嫌うのに、住宅は一戸一戸異なる、という点です。
 天文学的数字といえば少々大げさですが、私たちが扱うクロス、カーテン、カーペットなどのアイテム数は、約7万点です。これらの組み合わせでインテリアが完成するのですからバリエーションは無限、同一は無いと断言してもいいでしょう。
 無限に近いこの選択肢のなかからなにをチョイスするか。あるいはなにを提案するのか。そんなときにも私たちのチカラが発揮されます。

   

 私たちは商社で働く人間です。
 インテリアコーディネーターではありません。無限に近い選択肢から適切な商品を提案する、このとき使われるチカラはコーディネーターのそれとは、別物です。ここを誤解しないようにしてください。私たちが提案する商品は、もちろんニーズにフィットする必要はありますが、それ以上に、顧客とのパイプを太くするためのツールです。
 同じシーンでも、発揮されるチカラは職業によって差異があります。
 都市の内側をつくるワタナベの社員が、どんなときにどんなチカラを発揮するのか。できる範囲で紹介しておきましょう。